「ボタン一つで朝になる」の言葉再考
記事『ボタン一つで…』では、一連の体験時に、身近に接した、「アニマ」と名づけた存在の印象に残る言葉をとりあけた。それは、「そのうちボタン一つで朝になるのよ」という、シュールなものだった。
それは、私が、現在の文明は、「何でもボタン一つでできる便利さを追求した結果、荒廃した」みたいなことを考えていた折りに、発せられたものである。私は、当時、これらの存在の発する言葉を、文字どおり真に受ける(即物的に解す)傾向があったから、これは、近いうちに、「人工太陽のようなものができ」て、文字通り、「ボタン一つで朝になる」ということを言っているのだと思った。
しかし、記事では、それを、振り返って、それは、「何でもボタン一つで」という我々の浅はかな考えを皮肉って、できるわけのない、「シュール」なことを述べた、諧謔のようなものだったのだろう、と述べていた。
このように、これらの存在が、皮肉めいた言葉を好み、よく発するのは確かである。しかし、そのような解釈には、どこか、しっくり来ないところがあったのも事実である。
そんな折り、最近、『よひとやむみな』の中に、次のような言葉をみつけて、ハッとした。
ボタンひとつで世界は動くぞ。
人間同士でつながって、込み入ってしまった霊線を、人から神へと付け替えるぞ。
身魂を磨けば、自ら付け替えることが出来るのぞ
ここでも、「ボタン一つで」という言葉がとられている。それは、「一瞬にして」という意味の比喩で、やはり、我々が、何でもボタン一つで解決しようとすることに対する、皮肉の意味合いが込められているようではある。しかし、そこでは、むしろ、全体として、明らかに、そのような意味合いを超えたことが、示されている。人間のいう「ボタン」などという機械的なものではなくて、それを超えた、一瞬の「神」の仕掛けで、宇宙そのものが動く(ひっくり返る)という、「魔法」のようなことを意味しているのである。
つまり、「大峠」という、「暗闇」の時代が、神の経綸により、一瞬にして「明ける」ということの一例が示されているのである。
私は、アニマの発した言葉を思い出し、それにも、やはりこのような意味合いが込められていたのではないかと、思わざるを得なかった。アニマは、捕食者的な精霊とは違って、天使的な面も持ち合わせている。そして、この言葉は、単なる「皮肉」にふさわしくなく、淡々としてはいたが、優しく包み込むように、言われていたのである。
私は、当時、「夜」そのものと言うべき、「暗闇」の状態から、永遠に抜け出せる望みもない状態をさまよっていた。実際、それは、「宇宙の死」といった、「世界の終わり」に向けて、確実につき進む過程にあった。
しかし、私に関する限り、その過程は、最終的には、実体として押し寄せた「闇」に包まれることによって、一瞬にして、吹き飛ばされ、「明けた」のである。積極的に、「光」に覆われたというような意味合いは薄いが、少なくとも、それまで当たり前のように続いた「夜」は、嘘であったかのように、一瞬にして、「明ける」ことになった。つまり、「朝」になったのである。
アニマの言葉の、「ボタン一つで」というのが、一つの比喩なら、「朝になる」というのも、「物理的に朝になる」ことではなく、やはり、一つの比喩と解した方が、適当かもしれない。つまり、「そのうちボタン一つで朝になる」とは、(今は、明けることのない夜だとしても)そのうち、「一瞬にして夜が明け、朝になる」ということを、予告していたものと解される。そして、それは、私に関する限り、そのまま実現した。
しかし、この言葉は、私だけに向けられた、個人的なものとは、とても思えないのである。私が、現在の人間の文明のことを、考えていたときに、発せられた言葉であるのも、そのことを物語っている。
つまり、『よひとやむみな』と同様、現在の地球の人間全体について、言われているものとも思われるのである。
地球全体、特に日本が、本格的な「夜」に向かうのは、前回述べたように、これからのことである。だから、その「夜」が明けて、「朝になる」とは、まだまだこれからのことで、今はまだ、現実味の薄いものかもしれない。
しかし、それが本格化したときには、改めて、この言葉が、思い起こされるだろうし、それが、本当のことを述べていたことに、気づかされることになる日が来るのかもしれない。
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