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2014年10月19日 (日)

「電波系」について

今はあまり使われなくなったが、かつて、「電波系」ということが言われた。統合失調状況に典型的にみられるが、それだけでなく、他の人には、見えない、聞こえない情報を受け取って、異様な「妄想」(と他の人には感じられるもの)を語る人たちについて、言われたものだ。

ウィキペディアでは、「電波系」とは、「荒唐無稽な妄想や主張を周囲に向かって公言する者のことを指す言葉」とされ、「元々は「頭の中に何者かからの声、思考、指示、妨害が電波で届く」と訴える人のことを指していた」とされている。

元々は、そこから始まっているのだろうが、一般に、広く「電波系」というときの「電波」とは、物理的な電磁波としての「電波」そのものなのではない。「電波」という言い方は、あくまで、たとえまたは象徴で、それが、こういう人たちが、受け取っていると称する、見えない波動ないし情報を、うまく言い表しているから、採用されているのである。

そして、「電波系」という言い方は、必ずしも、病気としての「統合失調症」を意味するのではなく、その周辺領域にあって、多くの人の理解しづらい、情報を受けとって、発信する人にも言われたのである。そこには、たとえば、怪しげな、霊媒やチャネラーなども、含まれている。それは、もちろん、そういう意味合いもあるが、必ずしも、蔑んだり、奇異がったりするものではなく、ある種の「親しみ」を込めて、そういった類型の人がいるということで、「――系」として、身近な呼び方がされたという面もある。

私は、この呼び方は、「統合失調症」などという精神医学の呼び方などより、よほど親しみやすく、的確な呼び方で、しかも実質的にも、有用なものがあると思う。もちろん、こういった呼び方をするときは、「病的」な意味合いは薄く、病的であろうが、なかろうが、一定の、こういった類型または体質の者を含めて呼んでいるのである。その中で、社会的には、「病的」と判断されてしまうようなものが、事実上、「統合失調症」と呼ばれていたということに過ぎない。

こういった人は、象徴的な意味で、人には受け取れない、「電波」を受け取る人で、それに、その人独自の「解釈」を施して、人に向かって、発信するものだという認識が、多くの人に行き渡っていれば、こういった人たちを、さほど奇異がる必要もなくなる。と同時に、逆に、変に崇拝したり、即座に真に受けてしまうことも、避けられるだろう。

また、自分自身が、「電波系」の気がある人も、自分の受け取っているものを、文字通りの「電波」などと受け取らないで、「電波系」にいうところの「電波」、つまり、電波のように波動として伝わって来るが、何らかの、他人には受け取れない(あるいは、受け取っても、はっきりとは感じ取れない)「情報」なのだと受け取って、それに、適切に関わっていく可能性も増えて来る。

最近の、「テクノロジー犯罪」などの迫害妄想も、結局は、受け取っているものを、文字通りの「電波」(電磁波)と解するところから来ているので、これを「電波系」にいう「電波」と受け取れれば、そんな大層な迫害妄想は、もつ必要がなくなる。

だから、私は、再び、「電波系」という言い方が、流行ってくれた方がいいと思う。

この「電波系」については、もう大分前になるが、かつて、その名のとおりの『電波系』(太田出版)という本を書いている人がいて、前の『日記』でも、とりあげたことがある。それは、自分自身が、典型的な「電波系」の人で、子供の頃から、いろいろ「電波」を受けて、それに振り回されて、苦労したが、いろいろな対処法を覚えて、今は、それらとうまく折り合っている、という内容である。また、「電波系」にいう「電波」とは何かということにも、それなりに踏み込んで、考察をしている。

「鬼畜」と自ら言うだけの、率直な語り口なので、よほど「電波系」に共感的であるか、自ら、その気のある人でなければ、受け入れ難いかもしれない。が、逆に、そういう人たちにあっては、私のこのブログ以上に、参考になるものがあるかもしれない。

残念ながら、今は絶版なので、古本屋などで、手に入れるしかないが、興味のある人は、探してみるとよい。

その人物が、「電波系」にいう「電波」について、言っているのは、もちろん、文字通りの物理的な電波などではなく、ユングのいう集合的無意識から発されるもの、または、シュタイナーのいう「アカシックレコード」から発されるものということだ。

「集合的無意識から発されるもの」とは、私も、人の無意識の発する想念形態(「エレメンタル」)が、直接の「声」の正体である可能性について述べたが、単に個人のということではなく、その集合である、「集合的無意識」から発される、「想念形態」(「エレメンタル」)と解してよい。その「集合的な要素」が、聞く者をして、「グルになっている」とか「組織」として襲って来るというような感覚を生むし、最近の「集団ストーカー」にいう、「集団」というのも、迫害するものとしての、このような、漠然たる「集合性」を物語っている。

シュタイナーの「アカシックレコード」というのは、ユングの言うのは、あくまで、「無意識」という規定だったが、それにはっきりと、「霊的な実在」としての、情報ないしエネルギーの意味合いをもたせたものと言うことかできる。「想念形態」(エレメンタル)という、実体的なエネルギーとしての意味合いを考慮すれば、やはり、この「アカシックレコード」という言い方の方が適当と言えるだろう。

いずれにしても、物理的な「電波」とは別に、「電波系」にいう「電波」というものが、そのようなものとしてあるとしつつ、その「電波」なるものは、決して、「真実」を語るのでも、「優れて」いるのでもなく、多くの場合、人を惑わし、陥れ入れるものだとして、距離をおいた関わりを勧めているのである。自分自身が、どういう具合に振り回されたかを、率直かつ具体的に述べているだけに、説得力がある。

※ 最近では、無農薬・無肥料でリンゴ栽培を成功させた「奇跡のリンゴ」でおなじみの木村氏なども、「電波系」に入れられてしかるべきだろう。無農薬・無肥料でのリンゴ栽培を実現した人に対して、不謹慎と言わるかもしれないが、自ら、UFOに乗り、宇宙人と会った(あるUFO研究家には、UFOに乗っただけでなくて、他の惑星に行って来たと言ったという)と公言し、自分が話しかけた木だけが枯れず、話しかけない木は枯れたと信じているなど、十分「電波系」の資質を満たしている。

本来、「電波系」は、いい意味でも、悪い意味でも、明確な規定のある言い方には入りにくい、「境界的」な人たちについて、言われた言葉なのかもしれない。しかし、私は、もっと広い意味で、「電波系」を使っていいと思う。それくらい、「電波」という言い方は、明確には把握しにくい、ある普遍的なものを、象徴的にだが、指し示している。そうすることで、このような領域に関わる人たちを、無闇に蔑んだり、崇拝することを避け、相対化できる。

たとえば、そこには、社会的に認知されず、「統合失調症」と呼ばれてしまうような人たちも入れば、社会的に認知され、「霊能者」や「チャネラー」などと呼ばれる人たちも入る。もちろん、どちらつかずの、中間的で、怪しげな人たちこそ、その言葉に最もふさわしいことには変わりない。それは、図にすれば、次のような感じになる。

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コメント

「電波系」面白い表現です。

一人ひとり人間は謎に満ちて、自分自身ですら、頭のなかで解剖しても方程式にかけても、謎と闇が無限に広がり立ち尽くすばかりです。

しかし、不完全な無力な自分を耐えながら真実に近づいて、不思議のその先をはるか仰ぎ見る思いには、なれるかも知れません。

物理学の電子微粒子の研究分野は、不思議の不思議の更に奥深い世界でしょう。

「でんぱけい」理系分野の純粋な謎をかすめながら、人と人との間を突き詰めない風通しの良さがありますね。「この世とあの世の風通し」霊魂の実在を見据えた精神科医師加藤清氏の著書の題名を彷彿とさせます。

「電波系」、「エスパー」、「テレパシー」「第六勘」心にも口にもなじむ表現はこれからの時代を後押ししそうです。

対岸の現代精神医療のおどろおどろしさが浮き立っても来ますね。風の絶えた場所です。

こちらも同時進行で実態を伝えていきたいものです。

みるくゆがふさんありがとうございます。

技術の発達により、物理的な電波(電磁波)と「電波系」にいう電波の境界が曖昧になり、区別の難しい時代になっているからこそ、「電波系」を改めて見直す意味もあるかと思います。

「対岸の現代精神医療のおどろおどろしさが浮き立っても来ますね。風の絶えた場所です。」

本当にそのとおりです。が、現在でも、こちらこそが圧倒的な主流なのですからね。

まったくです(^^;

太田出版にそんな本があったとは知りませんでした。電波系という言葉も初耳です。電波系という言葉が流行ってくれたら精神科が儲かるのが予想されます。おそらく支配層としては、一般の生活者が知っておかないと危険な情報を出す「誠実」な人(テクノロジー犯罪被害情報や放射能被曝情報等)を「排除しやすい空気を作れる」ので流行ってくれたらラッキーなのかなと、私は思いました。私のテクノロジー犯罪についての認識は、仮に1万人中に1人の実際の被害者がいて、その1人の地獄を見ない、無い事にして、その他大多数の「心理的負担を考慮」した言動は、直感的にもマズイということです。その一人の地獄(分かりやすい例としては原発作業員の地獄)を無視することが、結果として大多数の不幸につながるという事を今回、日本は痛感したはずなんですが…、現状を見る限りはむしろ悪化しているようです。その大多数を優先させた思考回路では、問題の解決には至らず、後でもっと大多数側も大変になります。……太田出版の本は個性派が多く個人的には嫌いではないので少しリサーチしてみます。奇跡のリンゴの著者が電波系というのには思わず笑ってしまいました(まだ読んでないですがかなり真面目そうな印象なので)。意外と洞察眼を持って周りを見渡せば、成功している人に、電波系の要素を見出せそうですね。電波系で思ったことですが…「ドラゴンボールZ」の作者である鳥山明も電波系に入りますかね…(グレーゾーンでしょうか?)。思いつくまま書きましたので、深く考えずにコメントを読んで頂ければ。


こんにちは。

たまにですが、UFOを見たと言う人がいると思います。これについての考えになりますが、青森県→地震→六ヶ所村の危険→どこかの国の円盤型無人偵察機が飛行→農家の人が作業中に空を見上げたらUFO(未確認飛行物体)が飛んでいるのを確認……。私はこういう推測をしてみました。次に話しかけた木はよく育ち、話しかけなかった木は育ちが悪いについてです。話しかける距離に近づく→木が栄養として二酸化炭素を吸う→よく育つ。話しかける距離→根の周辺の土を踏み固める→根が強くなる→よく育つ。


UFOに乗ったについては、神秘性を演出したほうが売れるから、日本人受けがいいからという現実的な解釈をしてみたいと思います。(本人のみぞ知る事実ですので本来周りがこれはウソあれはホントと言いにくい面はありますが、私は上記のようにとらえています)。

「電波系」というのは、もともと、精神病まがいの「おかしな」人たちを漠然と総称する言葉として使われていたのだろうし、支配層が利用しやすい面があるのも確かでしょう。しかし、たとえ、悪い意味で使われるにしても、「精神病」とか「統合失調症」など、精神医学の使う言葉より、よほど実質を捉えた言葉であり、「悪くない」意味に反転する要素を秘めています(精神医学の言葉には、そのような要素はないでしょう)。特に、現在においては、より肯定的、積極的な意味で流行らせることは可能と思います。

何しろ、物理的な電波ではないが、それに類似する伝達の仕方をする「見えない情報」を受けとって、その解釈を発信する一群の人たちがいるということを、病気であるとか、蔑む意味でなく、逆に崇拝したり、即座に真に受けたりするのでもなく、ただそいういうものとして広く認知するということが必要です。そして、そこには、表現の巧拙はあるにしても、ある容易には表現し難い何ものかについての、「真実」が含まれている可能性は、常にあるということです。そのような理解を込めて、「電波系」という言葉が流行るなら、かなり意味のあることと思います。

私の理解力不足でした。ティエムさんの今のコメントで納得しました。私も日本の精神医学界は酷い病名をつかうよね、という感覚はあります。アスペルガー症候群や発達障害なども、言われた人の心に傷をつける言葉だと思います。


自称でエスパーと言っている人はいますね。
超能力開発法という本は直感で何かを分類しているっぽいです。
電波系の悩みというという点で、その本ではそういった惑わす方を影の世界と呼んでいるらしいです。
光の世界をオススメするのは結構宗教、スピリチュアル系で定番な気もします。
金井南龍という人が魂の帰還する方を神の方、魂を食べるような方を魔王の方と言っていたとか。。
電波系の人でも、例えば草間彌生などの芸術家、その他科学者など色々いると思います。
記事の日付は前後しますが、影の方は殆どがトラウマなどに対する引掛けの心理技法のようなもので、
結局なんらかの防御策など推奨なのだと思います。
自称でエスパーの人は閉じると言っていました。

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