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2013年1月16日 (水)

シュタイナーにみる「陰謀論」的発想

R.シュタイナー著 『悪について』 (春秋社)は、私がこれまで述べて来たことや、「捕食者」や「狂気」に関する面でも、驚くほど共通するところがあり、新たに認識を深めさせられるものが多くあった。

全体として、「悪とは何か」という問題は、多少ややこしくなるので、いずれの機会に譲り、ここでは、個々的な問題をいくつかとり上げてみたい。

まず、シュタイナーにも、既に20世紀初頭の時点で、現代の、少数の「支配層」が「陰謀論」的に社会を支配するという社会構造を、明らかに見通していた記述があることについて。

もともと(これまで出版されていたものでも)、シュタイナーも、近代社会は、「経済人」が牛耳る社会だとか、近代社会は、アーリマンが背後で働きかける形で、「秘密結社」から始まったものだとかのことを言ってはいた。が、今回の記述は、もっと直接に、現代の「陰謀論」的発想に通じるものである。

たとえば、「民主主義」について、次のように語っている。

自分は現実をよくわきまえた唯物主義者である、と思っている人でも、実際は考えうるかぎりでこのうえなく抽象的な理論家なのです。単なる理論で頭を一杯にして、理論の中に眠り込み、そのことに気づいていないのです。

人びとは概念を現実だと思っています。しかし、そう思うことで、実は、幻想と現実を取り違えています。
 …ですから、こういう状態の中で、民主主義のさまざまな制度によって自分の意志が表現されている、と信じ込んでいるのです。そして民主主義の体制においては、常に、少数の何人かがうしろで糸をひいていること、他の大多数の人たちはその意図に踊らされていること、そういう現実にまるで気づいていないのです。(5,6頁)

そして、ドゥレージという人物の「私たちは、金融資本家たちは民主主義の敵だと思い込んでいるが、むしろ金融資本家こそ民主主義の指導者であり、推進者なのである。なぜなら民主主義は屏風なのであり、その屏風の背後に金融資本家たちは自らの搾取の方法をかくしもっているのだから」という言葉をあげ、

…民主主義を弁じ立てることが大事なのではなく、現実を洞察することが大事なのだ…。なぜなら、今こんなにもおそろしい仕方で、人類全体を血みどろの状態に引きこんでいる諸事件が、ごく少数の権力のセンターから誘導されていることに、私たちは今こそ気づかなければいけないのですから。(7-8頁)

と述べている。

「人類全体を血みどろの状態に引きこんでいる諸事件」とは、当時としては、もちろん、第一次世界大戦関連の出来事を指すのだろう。しかし、それは、現代の様々な事件にも、そのままあてはめることのできるものである。このような記述は、現在においては、もはや、当然のごとくで、別に驚くものとも言えないが、当時としては、かなり衝撃度のあるものだろう。

シュタイナーの言うとおり、このような発想が、「唯物論」的な発想にも支えられながら、強められているのは確かなことだろう。「物質的なもの」だけが存在するものであり、価値あるものだとすれば、「経済」を動かし、支配する「金融資本家」こそが、社会を指導するのは、理にかなっているといえる面があるからである。また、そのような「唯物論」的な発想が、社会に強固に行き渡っていて、他に可能性がないもののように思われていれば、そのような現状が分かったとしても、それを仕方のないこととして、受け入れてしまいやすい、ということもある。

だから、「支配層」は、「唯物論」的な発想こそを広めようとし、それを否定したり、変えようとする発想には、強力に排除するように働きかけることになる。

さらに、「優生学」や「精神医学」にも絡むこととして、次のようなことが述べられている。

1912年、ロンドンで、「優生学」の学会が誕生したことに触れ、これは「魂のない」「乾ききった頭脳のざわめき」から出て来たものだと罵ったうえで、(まさに、シュタイナーにとっては、晩年の「リアルタイム」の、憂うべき出来事の一つだったわけで、そのような反応も頷ける)

多分それほど遠くない将来、1912年に行われたときのような(上の「優生学」の学会のこと)ある学術会議の席で、そもそも霊と魂のことを考えるのは、病的なことだ、と決められるような事態がやってくるかもしれません。そうしたら、からだについてしか語らない人たちだけが健全だと看做されるでしょう。
 霊も魂も存在すると考えるのは病気の兆候だ、と看做されるでしょう。…そういうときには、病気の徴候に対する治療薬も見つけ出されます。…中世においては霊が否定されましたが、今や医薬の働きを借りて、魂も否定されるのです。
 人びとは、「健全な立場」に立って、霊も魂も存在するなどと人体が考えなくなるような、しかもできるだけ早い時期から、できたら生まれたときから、そう考えずにいられるような、そういうワクチンを見つけ出すことでしょう。(171頁)

これは、ある意味で、既に実現していることである。へたに「魂や霊(または宇宙人)」のことを語る者は、「統合失調症」などと、病気の烙印が押され、治療薬を施される可能性が実際にあるからである。

しかし、もっと、言葉どおりの意味で、今後、これが実現する可能性も十分ある。

実際、「魂や霊(または宇宙人)」のことを語ることそのものが、病気の「症状」とされ、「幻想依存症」とか、「現実認識障害」などの病名をつけられて、治療の対象とされ、精神薬を施される可能性があるということである。

また、幼児または子供の頃から、そのような「病気」にならないように、開発された予防「ワクチン」を受けることが、義務づけられるというようなことだってあり得る。

なんとも、おぞましいが、シュタイナーは、現代の産業社会、あるいは文明社会そのものが、徹底的な破壊を被るまで突き進むという点では、非常に悲観的というか、容赦のない見方をしていたのである。

私も、現代の「産業社会」は「捕食者的文明」だということを言って来た。そして、常に、「捕食者」や「精霊」的存在が、いわば「人と人の間」から、我々に働きかけていることを述べてきた。シュタイナーも、現代は、「アーリマン存在」が、「霊界の境域」から、この世に生まれた人間に寄り添うようにして、意志や衝動に強力に働きかけているとし、現代の「技術」の急速な発達や、人びとの「営利活動」、さらに「産業社会」は、そのような「アーリマン」の強力な影響のもとに生まれたものと言う。

もちろん現代人は、こうしたすべて、電報、電話、蒸気機関などは、霊的な存在たちの介入なしに現実のものとなった、と信じています。しかしそんなことはありません。人間が理解していなくても、人類文化の進歩は、四大霊たち(ここでは特に「アーリマン存在」のこと)の協力のもとに可能となったのです。近代の唯物主義的な人間が考えているように、人間は思考内容を脳からしぼり出して、電話や電報を発明したり、蒸気機関を駆使して大地を走りまわったり、農耕地を耕したりするのではありません。こういうやり方で人間が行うすべては、四大霊の影響のもとにあるのです。…実験室、工房、特に発明発見する人には、四大の霊たちが霊感を与えているのです。
 この四大霊たちは、十八世紀以来、人間の誕生と死に直接関わるようになっています。

古い時代の誕生と死の四大霊たちは、本質的に、神的、霊的な宇宙指導者たちの従者でしたが、私たちの時代から-といっても、すでにその時代は始まっていますが-誕生と死の四大霊たちは技術と産業の、そして人間の営利活動の従者なのです。(137-8頁)

現代の技術の発明・発見は、アーリマン存在の霊感を受けたものという。が、前にみた「モルゲロン病」をもたらす技術などは、もはや、単なる「霊感」というよりは、直接にアーリマン存在(捕食者)の意志を体現したものというべきものだろう。また「原子力」の技術などは、もはや、アーリマン存在を超えたものを思わせるが、シュタイナーも別のところ(『黙示録的な現代』風濤社)で、「原子力」は「アスラ」という、さらに強力な存在がもたらしたものといっている。

「アーリマン存在」は、もともと「人間の地上の幸せには破壊的な態度をとっている」ので、このような方向に向かって進んでいく文化は、「人間の地上の幸せ」に役立つことはない。結局は、人びとの間には喧騒をもたらし、物質的には、「破壊」をたらすことに帰着する。シュタイナーは、それはいきつくところまでいきつくとみており、しかもそれは、新たなものが生まれるために、必要なこととみているのである。

何しろ、このように、現代の「陰謀論」的な社会というものは、単に人間の少数の「支配層」に指導されているというだけでなく、背後には、「アーリマン存在」(捕食者)の働きが、厳としてあるということである。そして、現代においては、それに気づくことが必要になった(かつては一部の霊界参入者の「秘密」にされた)ということである。

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