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2012年2月25日 (土)

『きらっといきる バリバラ』~統合失調症

昨日、午後8時 NHK教育『きらっといきる バリバラ~統合失調症』を見たが、インパクトのある面白い番組だった。

「バリバラ」とは、パリアフリー・パラエティの略で、障害者が多く出演する障害者のバラエティ番組。今回は、統合失調症のハウス加賀谷や茶BOZEが出演していた。自分の「病気」にまつわるヒストリーや、幻覚や妄想をネタにした漫才も披露していた。2人とも何ともユニークな存在で、(プロだから当然ともいえるが)「笑い」のセンスも確かなものだった。ネタは、本人がやるのでなければ、「危ない」ようなネタで、これがてきるのは、ある意味革新的だ。

「小さな加賀谷」が見えたという話に乗った相方に、「幻覚2級!」「あなたもやっと幻覚が見えるようになりましたね」「よくぞこの高みまで…」というのは、うけた。

「妄想」や「幻覚」は、病者本人も、周りの者も、変に、「深刻」に受け取るからこそ、問題が悪化する。病者本人も、周りの者も、こういう風にユーモアにくるめて扱えるようになれば、変に問題を膨らますことはなくなるのである。また、本人自身がこういう風に「幻覚」や「妄想」を「笑い」にすることができるということは、もはや、それらにあまり囚われなくなったということである。だから、この番組は、本当に、「統合失調症」の本質をついた、ある意味治療的効果のある、画期的な企画ともいえる。

最後に、そういう人にはどう対処するのがいいかという話題にもなっていたが、結局、加賀谷が言っていたように、「まあ人生そんなことあるよ!」というのが、「大正解」である。別に、「左上に、お釈迦さんが見え」ても、「小さな加賀谷がいっぱい見え」(これはネタだったか)ても、いいじゃないかということである。

ただ、それがために、周りの人に迷惑をかけることになると、社会としても、何らかの対処をせざるを得ない、放ってはおけなくなるということである。

だから、やはり、「幻覚」や「妄想」には、抵抗力をつけること、自分なりの対処の仕方を身につけることが必要であり、「ユーモアでくるむ」というのは、その有力な一方法である。

また、周りの人も、このような「幻覚」や「妄想」というものがあり、そういう状態にある人は、自分と違う「世界」を見ているということ。自分もそうなる可能性は常にあるということを考えれば、「幻覚」や「妄想」に囚われている人に対する許容度も、増すはずである。

そういう風にして、病者や周りの者、両方のアプローチから、「幻覚」や「妄想」が巻き起こす問題が減じていけばいいと思う。

しかし、それを一言で言うなら、やはり「人生そんなこともあるよ!」というのに尽きるなあ。

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