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2011年6月18日 (土)

「神」も「解離」する!?

前に、B.モーエンという人物が、体外離脱中に、ある生命体を通して知ったこととして、「神」が「大いなる未知」(虚無」)を前にして、恐れと探索の興味をもったことから、「創造行為」が始まったというあらましを紹介した。(記事  『魂の体外旅行』-「ルーシュ」の生産  )

その部分を再掲すると、

初め、「創造者」である「存在者」は、自分の回りを取り巻く、得たいの知れない「大いなる未知」に恐れを抱いた。「存在者」は、その探索をしたいと思い、自らの一部を「分身」としてさまざまに集めたものを創造して、そこに飛び込ませた。ところが、それらは、「大いなる未知」に突入すると、崩壊してしまって、戻ってくることがなかった。

そこで、「存在者」は、さまざまな実験を繰り返すが、結局、それらの「分身」は、「無条件の愛」をもって、全体を「統一」していない限り、そこで崩壊せずに、帰ってくることができないことが分かったという。

これは、あくまで、一つの単純化された「物語」として受け取るべきものである。周りを取り巻く「大いなる未知」とは、まさに「虚無」そのもののことであろう。「無条件の愛」ということが、何か取ってつけたような形で出てくるが、要するに、全体を「統合」することの、ひとつの象徴的意味合いであろう。しかし、それにしても、この「物語」は、これまで聞いたどんな「創造説」よりも、説得的で、頷ける面を持ち合わせているのは確かである。

「神」は「虚無」を前にして、「恐れ」を抱き、「分身」を作り出して、いわば自己を「切り離し」、自己は背後に退くことで、その状況に対処することをその分身に背負わせた。それこそが、自己の分身たる(意識ある)「生命」の「創造」ということになる。しかし、これは、人間が、虐待やストレスという状況にあって、自己を切り離して、切り離した人格にその状況を請け負わせようとする、「解離」そのものではないか。

前々回みたように、「人格」というものは、そもそも「解離」するものなのであった。人間の生まれながらの「自己」さえ、「解離」されたものである可能性があることを指摘した。しかし、それ以前の、そもそもの初めたる、「神」による「生命」の「創造」ということすら、「解離」によって始まっている可能性があるということになる。

「<無条件の愛>による<統合>がなければ、<虚無>から戻れないことが判明した」というが、そもそも「解離」から始まっている「生命」の「意識」に、そのような「統合」を押し着せることも、どうかと思われる。

前には、その「分身」が「虚無」へ突入すると、「崩壊」してしまうことを捉えて、この「神」の「虚無」を前にした出来事を、「統合失調症」の「原点」のようなものと言った。が、その「神」の「行い」の実質的な意味合いとは、むしろ、「解離」そのものだったというのが、本当のところである。

こうみてくると、「人間」が、「統合失調症」や「解離性障害」に陥る可能性というのは、そもそもの初めから、内に「孕まれ」ていたものといえる。「神」のモチーフを「人間」が「再現」しているだけだからである。

しかし、もし、その「物語」に言うとおりに、「神」の分身たる「人間」が、「無条件の愛」による「統合」ということを成し遂げて、真に「虚無」を通り抜けて、「戻る」ことができたとするなら、それは、初めの「神」の「原点」をも、大きく通り越したことになるはずである。

あるいは、「無条件の愛」による「統合」とは、最終的には、「人間」の「基本人格」と「解離した人格」との「統合」と同じように、もともとの「神」と分身たる「人間」との「統合」ということを、含意しているのかもしれない。だとすれは、B.ロバーツも示唆するように、「人間」と「神」との「本来的」な「統合」によってこそ、真に、「全体」として、「虚無」を通り抜けること、というよりも、むしろ、「虚無」そのものへと「溶解」することが可能となるということになろう。つまり、原初の、「神」と「虚無」との対立(「二元性」)そのものが、解消されるということである。

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