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2010年12月 3日 (金)

要は「非-人間的なもの」/「MIB」

前回、「幻聴」の特徴として、抑えるべきポイントを3つあげた。

これは、端的に言うなら、(分裂病性の)「幻聴」は、要は「非-人間的なもの」であるということである。

特に、3の<「幻聴」の内容には、どこかしら、「不自然」で、「非現実的」、あるいは「非日常的」な要素が含まれる>というのは、そのような「非-人間的なもの」の「反映」そのものである。

しかし、我々は、―私もそうだったが―、そのような、尋常でない「声」に接したときには、まずは、それまでの経験の延長上に、「人間的なもの」に引き寄せて捉えようとする。実際、それしか手立てがないわけである。

そのような「声」は、「見かけ」上は、「人間の声」と同じであり、恐らく、そのように「装われる」のでもあろう。だから、「人間的なもの」に引き寄せることは、決して難しくはない。しかし、そうした場合、どうしても、そこには、まさに、「不自然」で、「非現実的」、あるいは「非日常的」な要素が顔を出すことになる。それが、どうしても、何か「おかしい」という、「違和感」を、感じ取らせてしまうのである。それは、たとえ、その者が、それを、現実の「人間の声」と「解釈」している場合でも、必ず、つきまとうはずのものである。

(その「おかしさ」こそが、「分裂病(的反応)」の「発端」であり、「大元」である。そして、それを、いかに「解釈」して、(自分なりに)「おかしくない」ものに帰させるかというのが、「妄想」という試みの「すべて」と言ってもよい。しかし、そのような「試み」によっても、結局は、その「おかしさ」は、「解消」されることがない。それは、要するに、「非-人間的なもの」だからであり、「人間的なもの」によっては、ごまかしようがないからである。)

具体的には、たとえば、前回みたように、そんなことを言うはずのない者が、執拗に「なじっ」て来たり、誰も知るはずのないことを、言って来たりするのもそうである。あるいは、通常は、考えもしないような、「突飛」なことを言ってくるのもそうである。

しかし、それは、内容に拘わらず、既に「声」そのものの「響き」からして、そうである。独特の「力」に満ちていて、逆らい難い、威圧的な「響き」がある。人を「なじる」ときでも、いわば、「非情」に徹し、「無慈悲」そのものである。人間が、人をなじったり、悪態をつくときというのは、何かしら、「感情的」なものが、感じられるものである。その「なじる」こと、「悪態」そのものは、許容できず、理解できないとしとても、そこに、何かしら、「感情的」なものが感じ取られることによって、その部分については、何らかの「理解」は及ぶものである。

しかし、この「声」には、そのような、「感情的な要素」が欠けている。ただ、「非情」「無慈悲」に、「なじる」ことに徹しているのである。

この「声」が、全体として、「曖昧」であり、「訳が分からない」ものとして感じられるのは、その「内容」による部分もある。が、むしろ、そのように、その「声」自体が醸し出す、そのような、「人間的なもの」から掛け離れた要素によるところも大きいのである。

それらが、全体として、「不自然さ」や、「訳の分からなさ」を醸し出し、何か「得体の知れない」「未知のもの」を「暗示」させるのである。


既にみたように、人間は、そういったものを、とりあえずは、「人間的なもの」を通してしか、把握することはできない。だから、そういったものを、一般的に表現しようとするなら、それは、「人間的なもの」では「ない」、つまり、「非-人間的なもの」として、表現するしかないのである。

前に、UFO関連の本を読んでいたら、「MIB」(メン・イン・ブラック)というのが出てきて、興味をひいた。全身「黒ずくめ」の男の意味で、UFOを目撃したり、宇宙人とコンタクトした人物のところに現れて、いろいろ調査して、帰って行く。その事件について、「他言したら、命はない」と脅すことも多い。CIA等の組織を名乗ることもあるが、後で問い合わせると、そんな人物はいないことが分かる。

その男は、歩き方が機械的で異様であり、言動も不自然で、奇妙である。飲み物を差し出すと、飲み方が分からなかったり、ストローやスプーンというものを知らなくて、使い方を質問して来たりする。まさに、「人間(的なもの)」としては、「不自然」で、「非現実」なのである。

それで、この「MIB」の正体については、オリオン系のネガティブな「宇宙人」であるともいわれる。

しかし、私は、やっていることは、「精霊」と全く同じであると、思わず笑ってしまった。
恐らく、「彼ら」は、それなりに「人間らしく」振る舞っているのだろうが、どうしても、その「奇妙」な、「非-人間的なもの」が、どこかしら、現れ出てしまう。それで、「人間」としては、「不自然」で、「非現実」な面が、隠せないのである。

「彼ら」も、決して、「人間」についてよく知っている訳ではなく、本当には、人間のことが、よく分かっていないのである。あるいは、そもそも、人間について、さほど深い興味がある訳でもなく、その観察も、かなりいい加減なものである。

何しろ、本当に、「人間らしく」振る舞うことなど、どだい無理なのである。(狐や狸が「化け」ても、いずればれてしまうのと、ほとんど変わらない。)

しかし、一方で、「彼ら」も、そのことが、人間にもたらす効果については、十分認識している。「人間」のような「みかけ」を有しながら、その「不気味」で、「訳の分からない」ものがもたらす、「混乱」や、「得体の知れない」「恐怖」というものは、よく分かっているのである。そして、実際に、それこそが、ほぼ唯一ともいえる、「目的」なのである。

つまり、「彼ら」は、別に、人間が勘ぐるような、大層な「目的」のためではなく、ただ、人間に、「混乱」や「訳の分からない」「恐怖」をもたらすためにこそ、そんなことをやっているのである。全く、「暇人」もいいところである。(ただし、人を「苦悩」や「混乱」で「忙しく」させるために、「忙しく」しているとはいえる。もっとも、現在では、UFO現象などは、どこでも当たり前のように目撃されるので、もはや「彼ら」も、いちいち現れている場合ではないようだが。)

そして、「幻聴の声」の場合も、ほぼ、この「MIB」の場合と同じことがいえる。「人間的なもの」を装ってはいるが、どうしても、その「不自然」で「非現実的」な面は、表に現れ出てしまう。本来の、「非-人間的なもの」は、とても、隠せないのである。

しかし、それこそが、人間に「混乱」や「訳の分からない」「恐怖」をもたらすこと、そして、それがために、「狂っ」てくれることは、よく承知している。それで、それは、一つの「戦略」として、飽きもせずに、繰り返し、行われるのである。

近代以前には、人間の側にも、「彼ら」に対する一定の「知識」や「知恵」というものがあったから、それは、必ずしも、効果を発揮しなかっただろう。しかし、近代以降の人間は、「彼ら」の存在そのものを、「葬っ」てしまったから、逆に、その「ワンパターン」的な「戦略」がよく効くのである。

しかし、人間の側も、そろそろ、その「ワンパターン」的な「戦略」に引っ掛かることからは、卒業すべき時だろう。

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